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石綿関連疾病
疾病名 内容
中皮腫
特定石綿ばく露建設業務に従事した労働者等に発症した胸膜、腹膜、心膜または精巣鞘膜の中皮腫であって、じん肺法に定める胸部エックス線写真の像の区分(第1〜4型)または石綿ばく露作業従事期間が、以下の@、Aのいずれかに該当する場合、石綿関連疾病と認められます。
ただし、最初の石綿ばく露作業(労働者として従事したものに限りません)を開始したときから10年未満で発症したものは除きます。
@胸部エックス線写真で、第1型以上の石綿肺所見がある
A石綿ばく露作業従事期間(特定石綿ばく露建設業務に関する
 作業に限りません。以下同じ。)1年以上
※中皮腫は診断が困難な疾病であるため、認定にあたっては、病理組織検査結果に基づき、中皮腫であるとの確定診断がなされていることが重要ですが、病理組織検査が実施できない場合には、臨床検査結果、画像所見、臨床経過、他疾患との鑑別などを総合して判断されます。
肺がん
特定石綿ばく露建設業務に従事した労働者等に発症した「原発性肺がん」(原発性とは、他の部位から肺に転移したものではないという意味)であって、以下@からEのいずれかに該当する場合、石綿関連疾病と認められます。
ただし、最初の石綿ばく露作業(労働者として従事したものに限りません)を開始したときから10年未満で発症したものは除きます。
@石綿肺所見がある(※)
※じん肺法に定める胸部エックス線写真の像が第1型以上である石綿肺所見をいいます。
A胸膜プラーク所見がある+石綿ばく露作業従事期間10年以上(※)
※石綿製品の製造工程における作業については平成8年以降の従事期間を実際の従事期間の1/2として算定します。
B広範囲の胸膜プラーク所見がある(※)+石綿ばく露作業従事期間1年以上
※広範囲の胸膜プラークとは…
◆胸部正面エックス線写真により胸膜プラークと判断できる明らかな陰影が認められ、かつ、胸部CT画像によりその陰影が胸膜プラークとして確認される場合
◆胸部CT画像で、胸膜プラークの広がりが胸壁内側の1/4以上ある場合
C石綿小体または石綿繊維(※)の所見+石綿ばく露作業従事期間1年以上
※石綿小体または石綿繊維の所見については、以下のいずれかに当てはまることが必要です。
◆石綿小体が乾燥肺重量1g当たり5,000本以上ある
◆石綿小体が気管支肺胞洗浄液1ml中に5本以上ある
◆5μmを超える大きさの石綿繊維が乾燥肺重量1g当たり200万本以上ある
◆1μmを超える大きさの石綿繊維が乾燥肺重量1g当たり500万本以上ある
◆肺組織切片中に石綿小体または石綿繊維がある
Dびまん性胸膜肥厚に併発
以下に示すびまん性胸膜肥厚の内容を満たすものに限ります。
E特定の作業(※1)に従事
 +石綿ばく露作業従事期間(※2)5年以上

※1「特定の作業」とは…
◆石綿紡織製品製造作業◆石綿セメント製品製造作業◆石綿吹付作業
※2「従事期間」とは…
※1の作業のいずれかに従事した期間、またはそれらを合算した期間です。ただし、平成8年以降の従事期間は、実際の従事期間の1/2として算定します。
著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚
特定石綿ばく露建設業務に従事した労働者等に発症したびまん性胸膜肥厚であって、肥厚の広がりが下記の一定の基準に該当し、著しい呼吸機能障害を伴うもので、石綿ばく露作業従事期間が3年以上ある場合(以下の@〜Bの全てを満たす場合)に、石綿関連疾病と認められます。
@石綿ばく露作業3年以上
A著しい呼吸機能障害がある
◆パーセント肺活量(%XC)が60%未満である場合 など
B一定以上肥厚の広がりがある
胸部CT画面上に
◆片側のみ肥厚がある場合 → 側胸壁の1/2以上
◆両側に肥厚がある場合 → 側胸壁の1/4以上
石綿肺
特定石綿ばく露建設業務に従事した労働者等に発症した疾病であって、じん肺法に規定するじん肺管理区分(管理1〜4)に基づき、以下@、Aのいずれかに当てはまる場合、石綿関連疾病と認められます。
@管理4の石綿肺(石綿肺によるじん肺症)
A管理2、管理3、管理4の石綿肺に合併した疾病
合併した疾病とは、次の疾病です。
◆肺結核
◆結核性胸膜炎
◆続発性気管支炎
◆続発性気管支炎拡張症
◆続発性気胸
良性石綿
胸水
胸水は、石綿以外にもさまざまな原因(結核性胸膜炎、リウマチ性胸膜炎など)で発症するため、良性石綿胸水の診断は、石綿以外の胸水の原因を全て除外することにより個別に判断を行います。


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